FM三重『ウィークエンドカフェ』2015年11月28日放送

今回のお客様は『FC伊勢志摩』の中田一三監督、副キャプテン金守智哉選手、広報担当の宝門誠さんです。
今季は東海社会人サッカーリーグ2部を2位で終了し、リーグ1部への昇格を決めました。
高校卒業後、プロサッカー選手として活躍をされた中田監督。
今は、個人の選手が育とうとしているところに関われることがとても嬉しいと
おっしゃいます。
より伸びるように・・・ついつい言いすぎてしまうこともあるけれど強いチームが出来てきました。
自身のサッカー人生の経験の中から、活きた言葉が選手たちに送られます。
「南勢地域からJリーグ参入へ。ともにゆこう Jの舞台へ」
2013年のチーム発足後、一歩一歩と階段を上がっています。

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  金守選手、中田監督、宝門さん

年のジュビロの戦い方

中田 J2は3位から6位がまた争って、その中の1チームがJ1に昇格できます。
去年は6位のチームが結局上がったんですよ。
相手のジュビロは3位だっで、試合では最後近くまで同点でした。
同点だったら3と6が試合をして、4と5が試合をするんですけど、年間順位の良いほうが引き分けでも勝ちになるんですよ。

金守 特別ルールなんです。

中田 しかし相手はどうしても勝ちたいので、最後のロスタイムに全員コーナーキックで上がってきて、ゴールキーパーまで上がってきて逆転ゴール。
すごかったです。

金守 ゴールキーパーがヘディングして入れちゃったという。
自分のゴールを空にして出てきて、自分で本当に決めちゃったんです。

中田 それが終わる1分前とかだったので、スゴイショックだったと思いますよ。
それでまた1年間J2になるわけですから。

 

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ッカーをはじめたきっかけ

中田 サッカーを始めたきっかけは2つ。
兄がサッカーをしていたのに影響を受けてやっていたのと、担任がサッカーを教えてくれていたのですが、僕はなかなかやんちゃだったようで、「そのやんちゃさを一つのものに集中したほうが良いと」言われたんです。
その2つの出来事をきっかけにサッカースクールに入りました。
始めたのは小学校4年生で、そこからずっとサッカー人生。
小学校6年生になる頃には、日本にプロリーグができるという噂を指導者から聞き、単純に「プロになろう」と決めました。
ただ、仲間とかがいて楽しかったという思い出がありますが、プロの選手時代は楽しい思い出は、ほぼないですね。
小中学校は楽しくて、高校は学校生活とサッカーの両立が苦痛で、プロになってからは楽しい思い出はないという印象です。
しかし今思えば、サッカーがあったから、横道に逸れずになんとか生きて来られたという思いがありますね。

 

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域に根付いたチーム作りを

金守 ほとんどの選手が自分の仕事をしながらサッカーをやっている状態なので、自分たちも今までとは全然違う環境の中でサッカーをやっています。
楽しいこともありますが、難しいことも多々あります。
普通のチームだったら成績が上がっていけばチームの状態もどんどん上がっていくんですけど、何かとちょこちょこ問題が多くて(笑)
そういう意味では、僕のひとつ上の中田徹キャプテンが、こっちに帰って来てくれて本当に良かった、と言ってくれたのが嬉しかったですね。
いろいろ問題はありつつも、それが今年はいい方向にむかってくれたので結果も出たんじゃないかなと思います。

Jリーグでやっていても、地元の選手はとても愛されますし、チームにとっても大事にされる存在なので、地元の選手が羨ましいという部分がありました。
『FC伊勢志摩』を地域に根づいたチームにしようと、中田さんも僕もそういう考えでやっています。
スタジアムに来てもらえるとわかりますが、おじいちゃんからちいさなお子さんまで、みなで足を運んでくれています。
試合が終わった後に、夕ごはんを食べながらサッカーの話をするといった、そういう日常生活があるような街やチームにしていきたいなと思います。

 

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んなで支える『FC伊勢志摩』

宝門 ただ単にサッカーが好きすぎて、お手伝いをさせてもらっています。
私は志摩市出身で、中学生から部活でサッカーをしていました。
当時、志摩市には少年サッカーもスポーツ少年団のサッカー部門もほとんどなかったんです。
自分が住んでいた大王町にも、ソフトボールなどはありましたが、サッカーはありませんでした。
サッカーがしたいと思っていた小学校高学年の頃が、マラドーナが活躍した時代だったんですね。
「マラドーナ、マラドーナ」と言いながらドリブルするのが流行りました(笑)
そして中学にサッカー部があったので入部し、高校でも続けて、大学ではサークルでサッカーをやっていたほどのサッカー好きです。

金守 サッカーを好きな人が応援をしてくれるのはありがたいですね。

宝門 このチームは伊勢志摩なので、大きな企業さんがあるわけではなく、お金を出してくれて支えてくれる・・・というわけにはいきません。
みんなで支えてみんなで楽しんでいこうよ、というコンセプトに共感し、そこに関わりたいと思って、お手伝いをしています。

中田 スタッフや選手は、常に上を目指してやっています。
ただ、今やろうとしていることは総合的に支えてくれる方も含め、いろんな応援が必要です
お金もかかりますし、施設とか、いろんなものの条件が整わない限り、現場が一生懸命やって強くなったとしても上に行けないシステムになっているんです。
その両輪、いや4輪が同時に進んでいかないと上がれないことを、いまやろうとしているところです。
地域総合というか、輪になって取り組んで欲しいですね。
夢に向かってひたむきに向かう姿は、他の夢とまったく同じだと思います。
ただ、サッカーにおいては、上に上がっていくシステムを活用しながら、いろんな人が楽しめるように関わってもらい、結果としてJ1に行きたい、と考えています。

 

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どもたち、保護者の方へ

中田 試合中99%はボールを持っていない動きなんです。
ボールは1個しかないので、目線がどうしても動くものに集中するというか。
22人がピッチにいて、ボールではないところや反対サイド、攻めている時のディフェンスラインとか、そういうところを監督はているんです。
そういう全体像を見ることができるようになると、もっとサッカーの奥深さがわかると思います。
ボールを持って個人プレーに走る子がとても多いのですが、サッカーは個人競技ではなくチーム競技。
そこの良さが、うまく伝わっていないのをとても感じます。

宝門 中継でもボールのあるところばかり見えがちなんですけど、実はボールのないところで駆け引きがあったりして。
その辺を着目してみると、また面白いと思います。
スタジアムだと、また見やすいですね。
いつか『FC伊勢志摩』がJリーグチームになって、ガンバ大阪や浦和レッズのような日本代表を有するようなチームとの試合がこの地で行われることを想像すると、それだけでウキウキしてきますよね。
そんな夢に向かって、私も、一市民としてもいろいろとお手伝いしたいと思います。
僕、話すと長いな!
あんまりしゃべるのはよそうと思うんですけど、言いたいことがどんどん出てくるのでね(笑)
あふれてくるし、あふれだす情熱!
この熱さをぶつけて夢を達成したいと思います!

金守 自分も小さな頃からサッカーをしていたのですが、今みたいに親に送り迎えされることはなく、基本的に電車で移動でした。
みんなで電車に乗って試合に行って、終わったらまたみんなで帰って来て。
練習自体も1人でいろいろ工夫しながらやって、チームの時はチーム練習をしてという形。
今の子を見ていると、すべて保護者の方が用意して、会場までも送り迎えしてくれますよね。
なんというか「与えられて」練習をしているような気がするので、もうちょっと保護者の方が一歩引いた状態で見守ってほしいと思います。
子どもたちも、上手になるに越したことはないんですけど、楽しいのが一番です。
つらいと続かないですし。
そういった環境を、保護者の方が子どもたちに提供してあげることが大事だと思います。

 

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※平成27年12月12日(土)に、志摩市大王町のともやま公園野球場で『FC伊勢志摩大感謝祭』が行われます。
ジュビロ磐田の名波浩監督と中田一三監督とのトークセッションや、キッズサッカークリニックなど、サッカーを愛する人たちへ『FC伊勢志摩』からの感謝の贈り物です。
そして今、サッカーをしている子供たち、そのお父さんお母さんに監督と金守選手からメッセージがあります。